- 何がそれをそれたらしめているのか、本質を考える。ヒント:基本的に本質はコントラストの強いところから生まれてくる。つまり形を生み出すために必要な影を見つけること。ヒント:最小回数で形を生み出すにはどうするか考える。この「考える」ということが大切で、何も考えずにやっていると「絵が汚くなる」。なるべく絵を汚くしなようにする。それは結局本質を見極めるというところと同値になるが。
- 最初から絵がリアルになるように、適当に描かない。一つの部分からリアルに描いていって、そこを拠点として周りに派生させていく。この方がやりやすい。
- リアルに描くためにはどうするか考える。一つには、最初からグラデーションをきちんと描くことが大切になってくる。グラデーションを上手く効率的につけるためには、レイヤーをその都度作って、消しゴムで消すというのが良い。レイヤーを使わないと、消したくない下地の部分まで消えてしまう。
実践編
例えば「目を描こう」という時にどうするか。
まず、当然だが、いきなり目の細部まで完成した状態で描くことは出来ない。何段階かのステップを経て徐々にリアルな目を描くということになる。しかしまずは、最小の手入れで「それらしい」「目に見える」モノを描くことを目指す。そのために「どうなったら目っぽくなるか」を考える。
一番大事な要素は「形」である。形が上手く取れていなければ、それらしくは見えない。だから形を慎重に取ることをまず意識する。
次にコントラストである。人間があるモノを認識する時、全てのコントラストを完全に把握しているはずはない。微妙な色の変化などは認識の表面までなかなかやってこない。そこでやはりコントラストが最も大きな部分に注目する。
そうして目の最小要素と思われるモノを描き込んでみる。ただしこの段階でいきなり細部まで描こうとしないで、とにかく「描いたモノがちゃんと目として認識できる」というレベルにまで持っていくことで満足する。そこまでいったらこれが土台となる。なるべく絵を汚さないように注意する。スローガンは「最小のストロークで最大の効果」である。絵が上手い人は絵を汚さない。少ないストロークでも、それらしく見える絵を描いてくる。それを真似しなければいけない。
細部を詰めるためには、とにかく形とグラデーションをしっかりと作る必要がある。そのためには土台となるモノを徐々に削ったり、より微妙なグラデーションをつけて行くことになる。そこで活躍するのがレイヤー分けである。
今までの成果を潰さないようにしたければ、新しいレイヤーを作って、そこに描くのが良い。レイヤーを分けることで心理的な安心感も生まれるので、より大胆に描くことができる。細部を加えるたびにレイヤーを増やして行く。こうして、完成度を「積み重ねる」ことで少しづつリアルに近づけて行く。
ある程度リアルになったら、そこを足掛かりとして次の部分に進んでいく。
最後に。あまり手順を厳格化しないで臨機応変にその時々で考えるということが大切。あまり手順を細部まで決めていると、自由な発想が妨げられて絵のレベルアップが阻害される要因になってしまう。描き始めに、まずとにかく考えるのは「描いたモノがそれらしく見えるための要素は何だろうか」ということである。目立つ要素を描き込んで、それを徐々にrefinementしてゆけば良い。
もし描くのが難しい対象があるなら、それは何がそれをそれたらしめているのか、その本質の要素が掴めていないことに原因があるのではなかろうか。顔は結構今まで描いてきたのでそれなりに分かってきたが、服とかいったものはまだまだ経験が足りないから、難しいのかもしれない。
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[…] 紆余曲折を経て分かった気がする […]
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